アメリカ生活いろはのい

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アメトーーク!本屋で読書芸人でも話題の眉村 卓さんのエッセイ『 妻に捧げた1778話 』を読んでみました。


11月16日放送の「 アメトーーク! 」(テレビ朝日系)秋の恒例企画「 本屋で読書芸人 」にて紹介され、緊急重版が決定するほど話題になっている、眉村 卓さんのエッセイ『 妻に捧げた1778話 』を読んでみました。


この番組は実際には見ていないのですが、Yahoo!JAPANニュースで「 泣ける! 」と話題になっていることを知り、どうしても読んでみたくなって電子書籍で即買いしてしまいました(笑)


『 妻に捧げた1778話 』とは


余命は一年、そう宣告された妻のために、小説家である夫は、とても不可能と思われる約束をする。しかし、夫はその言葉通り、毎日一篇のお話を書き続けた。
五年間頑張った妻が亡くなった日、最後の原稿の最後の行に夫は書いた―「また一緒に暮らしましょう」。

妻のために書かれた一七七八篇から選んだ十九篇に、闘病生活と四十年以上にわたる結婚生活を振り返るエッセイを合わせた、ちょっと風変わりな愛妻物語。

妻に捧げた1778話-amazon.co.jp-


余命宣告をされた妻に読んでもらうために、毎日一話のお話を書き続けた小説家の話です。できることなら1778話すべてを読んでみたいと思いますが、それは残念ながら無理なようです。


この本の中には、著者である眉村 卓さんが選んだ19話とその自己注釈、そして闘病生活と四十年以上にわたる結婚生活を振り返るエッセイが書かれています。


毎日一話のショートショート

今回初めて眉村 卓さんの本を読んだのですが、このショートショートの作風は私は好きです。毎日一話を書くと決めた時に、ご自分でいくつかの制約を設けることにしたとのことです。その中でどこかで必ず日常とつながっていることや読んでアハハと笑うか、ニヤリとするものにしたいと決めたそうです。


そのどこかで日常とつながっている話となっているのが、もしかしたら実際にあるかもしれない……とか、あったら面白いかも……と思えて良かったです。


また、毎日の一話はエッセイは書かない、自分の心情は入れないと決めていたそうですが、奥さんの病状が進むにつれて心情が入ったり、エッセイになったりと変化していったそうです。でもそれがまた良かったです。


日常が日々少しずつ変化していくのなら、人の気持ちも変わっていくものだと思います。それによって毎日の一話が変化していったのは、当然の流れではないかと思います。だからやっぱりその変化を感じることができるなら、1778話すべてを読んでみたいと思ってしまいます。



闘病生活と結婚生活を振り返るエッセイ

このエッセイがまた、これまでの二人についてや著者の奥さんへの想いについて知ることができて良かったです。二人には、言葉にはしなくても分かりあえる、強い信頼関係と深い愛情があったんだろうなぁと感じました。


また、奥さんによるダメだしで毎日の一話を書き直しすることもあったそうで、どんな形であれ書くのなら、小説家として恥ずかしくないどこでも発表できるような内容でなければならないと奥さんは思っていたようです。


そのため、このように本になり多くの人に読んでもらえるというのは、誰よりも奥さんが一番喜んでいるのではないかと思えてなりません。また、小説家である眉村 卓の妻だということに誇りを持っていたようですし、奥さんのために書いたけど、奥さんのためだけに書いたワケではないってことも嬉しいことだと思えますが、どうでしょうか。


まとめ

「 泣けた! 」かどうかで言うと、私は泣きませんでしたが、心にジワジワとジーンとくる感動はありました。特に最終回の1778話は、多くは語らなくても想いは溢れ出るほど、感謝の気持ちでいっぱいなんだろうと思いました。


また、きれいな字で書こうとして、何度かやり直したそうですが、それがまた何とも言えずいいですね。なんだか分かる気がします。。。